■園子温展、ひそひそ星

■ワタリウム美術館,2016.4.3-7.10
■館2階が「今際の際」、3階「土台」、4階「ひそひそ星の絵コンテ」の3作品で構成されているの。 映画「ひそひそ星」(*1)の延長のような内容ね。 この「今際の際(いまわのきわ)」をみて言いたいことが分かった! 忠犬ハチ公の「土台」と結びついているのは歴然ね。 「人生とは待つことである」「待つことが終われば人生も終わる」。
主人公鈴木洋子は郵便配達人でなんとロボット。 宇宙に散らばった人類、それも絶滅種になってしまい数えるほどしかいない人々に荷物を届けるのが彼女の役目。 人々は配達人を荷物を荷物に籠められた何かを待っている・・。
彼の映画はとても文学的なの。 初期作品から言葉に強く拘っていた。 きっと詩人の血が騒ぐのね。 「ひそひそ星」はそれを隠している。 配達人が荷物を持って津波跡の海岸を歩いていく唯一のカラー場面は言葉を越えている。 誰もいない街中を自転車で配達する場面も素晴らしい。
彼は映像で描き切れなかったものをこの展示会で表現したかったらしい。 どうしても言葉で表現しないと不安なのね。 でも言語を越えなきゃ! 映画に文学は不要よ。
*1、「ひそひそ星」サイト、http://hisohisoboshi.jp/
*館サイト、http://www.watarium.co.jp/exhibition/1603sono/index.html