■ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち

■国立新美術館,2016.7.13-10.10
■では巨匠たちの名前は?と問われると直ぐに答えられない。 イタリアは都市間が近すぎ移動が容易のため混乱します。 ベッリーニやティツィアーノくらいですか。 ジョヴァンニ・ベッリーニの父も兄も有名な画家なので混乱しそうです。
ベッリーニは1枚、テッツィアーノは晩年期の2枚しか出品されていない。 それでも満足できる展示内容ですから他画家の質・量に厚みの有ることが分かります。 150もの貴族がいた裕福な都市の力にも依ります。 目玉であるティツィアーノの「受胎告知」を見つめているとギュスターヴ・モロを思い出してしまいました。 より現実的な象徴主義としてです。 ルネサンスの為か風景画は少ない。 でも会場にはジョルジョーネの色彩と抒情的風景が感じられます。 それはヴェネチィアの喧騒の中の静寂としてです。 紹介映像「アカデミア美術館」に「嵐」が映っていましたが、この静寂にも謎が混じり込んでいます。
ところで「受胎告知」のタイトル作品が何故多いのか理由がわかりました。 それはヴェネツィア建国記念日421年の3月25日が受胎告知祭日と同じだからです。 心がジワッと充実していくような展示会でした。 アカデミア美術館蔵、日伊国交樹立150周年記念展。
*館サイト、http://www.nact.jp/exhibition_special/2016/venice2016/