■土木展、つなぐ・ながす・ほる・ためる

■2121デザインサイト,2016.6.24-9.25
■大学の工学部には建築工学科か土木工学科のどちらかがあった。 しかしいつの間にか土木工学科が無くなってしまった。 名前が都市工学科などに変わってしまったのだ。 土木はキツイ・汚い・危険の3Kイメージがあるので学生が集まらないらしい。
建築展は頻繁に開催されているが土木展など聞いたことが無い。 ある辞書では「建物が建築、それ以外は土木」とあった。 ダムや橋はどちらだ? 会場には新宿駅や渋谷駅の構造図や模型もあったが建築と土木の境界線はあやふやにみえる。 土木と言うくらいだからたとえ建築でも土と木をいじくりまわす比率が多ければ土木になるのかもしれない。
土木とは直接関係ないが気に入った作品は「墨田川リバースケープ」(ヤマガメユキヒロ)。 隅田川を描いたモノクロ素描に映像を重ね一日の移り変わりを表現していて幻想的である。 同じ「六甲山からの眺望」は太陽や雲や夜景だけの変化で物足りない。
土木関係の作品ではスイスのゴッタルドベーストンネルで使った「トンネル掘削機」の構造映像。 この機械は知っていたが、削った岩石をどのように後方へ運ぶのか?前進方法は?カーブでの動きは?などの疑問点が稼動映像をみて解決した。 また削った後処理も知る。 トンネル表面に網を架けコンクリートを吹き付けるところまで行っている。 想像以上の機械で感心した。 それと土木雑誌「BLUE’S MAGAZINE」を初めて手に取ったが面白い。
全体としては企業側の論理に沿った内容であり、レベルとしては学生向け夏休み用展示会と言える。 
*美術館、http://www.2121designsight.jp/program/civil_engineering/