■黒田清輝、日本近代絵画の巨匠

■東京国立博物館・平成館,2016.3.23-5.15
■これだけの黒田清輝をまとめて観たのは初めてかもね。 師ラファエル・コランに出会ったのは正解よ。 二人の作品をみていると先ほどの「カラヴァッジョ展」が重たい夢のなかに居たように思える。 いま日常世界に戻って来たのね。
裸体画では「智・感・情」が一番かな。 タイトルの三文字はいらない。 コランとは一味違うミレーやシャヴァンヌ(*1)に刺激を受けたようだけど消化不良にみえる。 多忙が原因ね。 それよりも柔らかい光に覆われている作品の方が素敵よ。 特に女性が寝っ転がったり遠くをみつめたりボケっとしている絵が最高。 「舞妓」「湖畔」「読書」がとても素敵にみえたけどLEDライトの効果もあるのかしら? そして「昔語り」が神戸須磨別邸(*2)を飾っていたのを初めて知ったの。 人生後半は政治世界に入ってしまい小さな作品ばかりで残念ね。 生誕150年特別展。
*1、「シャヴァンヌ展-水辺のアルカディア-」(2014年)
*2、「バロン住友の美的生活-邸宅美術館の夢-」(2016年)
*展示会サイト、http://www.seiki150.jp/