■カラヴァッジョ展、ローマを熱狂させたドラマチック

■国立西洋美術館,2016.3.1-6.12
■「カラヴァジェスキ」でカラヴァッジョの全体像を描きだしている展示会なの。 継承者という意味らしい。 カラヴァッジョが1~2枚とカラヴァジェスキの5~6枚を一つの章にして全8章で構成されている。 このため彼の影響力が対抗宗教改革からバロック美術まで広く及んでいるがよくわかる。
特に1606年に殺人を犯してからの作品は深みがでている。 光と闇の深さとともに死を意識した静寂が漂っているからよ。 「エマオの晩餐」を含め描かれているキリストは劇的な存在感がある。 エル・グレゴのついぞ動きのあった劇的とは逆に静けさからの劇的とでも言うのかしら。 演劇の一場面を観ているようで背筋がゾクゾクするわね。
前半で気に入った絵は「マッフェオ・バルベリーニの肖像」。 彼の肖像画は高値で売れた理由がわかる。 後半では「法悦のマグダラのマリア」。 うーん、最高! マリアの涙にはカラヴァッジョの波乱の一生も溶け込んでいるようだわ。 日伊国交樹立150周年記念。
「カラヴァッジョ-天才画家の光と影-」(2015年)
*展示会サイト、http://caravaggio.jp/