■バロン住友の美的生活、邸宅美術館の夢

■泉屋博古館,2016.2.27-5.8
■バロンと聞くとスタジオジブリのあの猫を思い出してしまう。 バロン住友春翠の略歴をチラッとみただけでも、住友銀行・住友金属・住友電工・住友化学・住友海上火災・日本板硝子・住友商事・住友林業・日本電気・住友信託銀行の設立に関与している。 しかし会場を見回しても経営者の姿が見えない。 「君臨すれども統治せず」なのだろう。
前半は「神戸須磨別邸」が後半は博覧会と文人との交流が描かれている。 須磨別邸は西欧諸国が南米植民地に建築するようなテラスを持っているのが印象深い。 英国コンノート王子の邸来訪映像も面白い。 上演6分だが1918年頃の人々の振る舞いや別荘周辺の様子がわかる。  美術品は当時の情報網をフル活用していることがわかる。 しかし春翠の好みがよく見えない。 彼は複雑な美観を持っているようである。 周時代の青銅器もそうだが客の評判の良し悪しも参考にしている。 やはり重厚長大を優先しているのかもしれない。
いま新聞に連載中の「マダム・ツツミ」を読んでいる為か、バロン住友と時代差以上に違う堤清二を思い出してしまった。
*館サイト、http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html