■安田靫彦展

■東京国立近代美術館,2016.3.23-5.15
■「いざ、竹橋」「待ちかねたぞ」。 頼朝と義経の再会はなかなかです。 「黄瀬川陣」は戦争との関係を弁明していたが、当時は立場上止むを得なかったのでしょう。
展示は靫彦15歳から入りますが、10代もすばらしい。 人物がイキイキしています。 そして53歳から56歳頃が絶好調にみえる。 構図に無駄がなく単純な線と澄んだ色で感情の奥底まで描けているのはこの時期でしょう。 「花づと」「良寛和尚図」「観自在菩薩」「曽呂利」「菊慈童」「上宮太子御像」等々です。 そして着物の柄や身に付ける小物意匠は素晴らしい。
また複数人より一人のほうが良い。 複数人だと人と人との関係が粗くみえます。 「黄瀬川陣」は一双として分かれているので緊張感が保たれている。 また歳を取ってからの作品も乱れていません。 さすがです。
彼の作品は多くをみると感動が散ってしまいます。 2,3枚を他画家と一緒にしたほうが映える。 車で例えるなら安田はスポーツカーです。 他画家のゴッツイ車が隣にいるとスピードが上がります。
*美術館https://www.momat.go.jp/archives//am/exhibition/yasudayukihiko/index.htm