■フリーダ・カーロの遺品-石内都、織るように-

■監督:小谷忠典,出演:石内都
■イメージフォーラム,2015.8.8-(2015年作品)
■石内都がフリーダ・カーロの遺品を写真に撮っているのを小谷忠典が映画に撮る一種の劇中劇なの。 最初、石内は彼女に興味がなかったけど少しずつでてきた。 彼女の作品には女の血肉が滲み出ているからよ。 それと身に着けているものにメキシコへの深い匂いがあるからだとおもう。 この二つが混じり合ってあのフリーダ・カーロが出現するのね。
石内は「ひろしま」の続編として捉えていたのかしら? 「ひろしま」の学生服やモンペや水筒などはすべて「知っているモノ」だった。 だから石内も観客も「ひろしま」に近づけたの。 でも今回はだめ。
彼女の衣装は石内を寄せ付けない。 遠回りするしかない。 刺繍家が何人も登場する理由ね。 結局メキシコ文化の紹介のような場面が多くなってしまった。 でもこれで余裕ができたみたい。 祭りもあって「人生万歳」に近づけた感じね。
石内は途中で「衣装の全体像を撮りたい」と言いだす始末なの。 「ひろしま」と違って対象の部分撮影だけではフリーダの心に辿りつけないからよ。 でもパリ展示会の観客たちは称賛していたから上手くいったみたい。 日本では開催されたのかしら? みてみたいわ。
「フリーダ」(2015.6.4ブログ)
*作品サイト、http://legacy-frida.info/