■セバスチャン・サルガド-地球へのラブレタ-

■監督:W・ヴェンダース,J・R・サルガド
■Bunkamura・ルシネマ,2015.8.1-
http://salgado-movie.com/
■何といっても「セラ・ペラダ金鉱」(1986年)で幕を開けなければ話にならない。 この作品を初めて見た時の衝撃は忘れない。 世界で一番の物質は<金>だということをまざまざと教えてくれる。 そして経済が「金鉱」を含め全ての作品に通底していたことを今回知った。 彼は経済学を齧り、その目でファインダを覗いていたのだ。
ヴェンダースのいつもと違うリズムがこの作品にはある。 サルガドが家族を中心に人生観世界観を絡め饒舌に語る為かもしれない。 妻レリアの存在も大きい。
「ジェネシス」(2013年)を終幕に持ってきたことで作品に安堵と輝きをもたらしている。 人間の欲望や憎しみ悲しみの目を多く撮って来たからだ。 地球へのオマージュである。 2014年作品。