■芸術写真の精華、日本のピクトリアリズム珠玉の名品展

■東京都写真美術館、2011.3.8-5.8
http://syabi.com/upload/3/350/seikachirashi.pdf
■会場に入ると風景写真がずらっと並んでいる。 絵画に近づこうとしている想いが伝わって来る。 見る者はなにか中途半端な感覚に襲われる。 写真の人物や風景からいつもの歴史や物語、生活がよくみえない。
とくに物の実存にせまるような静物写真は静物画以上にある種の不思議感がある。 この感覚はどこからくるのか? 部分引き伸ばしの人物像もそうだ。 やはり現実に存在していた事物が持っている力のようだが?
ヴェリト、ベス単、ゴム印画、雑巾がけ、そしてデフォルマシオンなどなど・・。 専門用語が並ぶが解説や作品からなんとか意味は理解できる。 想いは現代に飛ぶ。 写真と言わずハードやソフトで処理するため画像と言う人も多い。
先日「写真は死んでいくのか」という記事を新聞で読んだが、ある写真家が物語の深さを論じて写真の復権を説いていた。 このような単純回帰なら「写真は死んでいく」と答えたい。 もちろんこの世から無くならないが。 写真の未来を考えてしまう展示会だった。