■白洲正子

■世田谷美術館、2011.3.19-5.8
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
■白洲正子は未知なので行く前にCD「白洲正子の世界」を図書館で借りる。 メリハリのある文章を書くようだ。 美術館は混んでいた。 絵画では曼荼羅が半数を占めている。 山や月を背景に川・家そして参道を歩く仰山の人々が描かれている。
決して美しいとは言えない。 これらは見るより読むものに近い。 正子の文章も掲示されているので余計に読むことに傾く。 曼荼羅を自然界に拡張した「日月山水図屏風」は日本四季の言語化である。 これが彼女の選んだ絵画の到達点だったのでは?
彫刻では丸みのある古面、多くの坐像や十数点もの十一面観音像の膨よかな体付き。 彼女が手元に置いた勾玉、楕円球の鈴や蓮弁もそうだ。 これら丸みのある形は日本文化の基本型かもしれないが選択に無理が無いようにみえる。
絵画は何かの義務感で、しかし彫刻は好みで入ったように感じる。 著名人に囲まれ育った環境も影響しているのだろう。 五十台半ばで巡礼に出たのもこれらを統合したかったのでは? 「歩くことが宗教」と言っているが何かに追いかけられているような人だ。