■中村宏 タブロオ・マシン展

■練馬区立美術館,2010.7.25-9.5
■中村宏は練馬在住のようだ。 地元なので本人も美術館も力が入っていた。 主要な絵の展示はなかったが画家とその時代の全体像がみえて面白い内容だった。
中村宏はセーラ服と機関車のシュールな絵しか知らない。 「癒しの絵は描かない」と画家の言葉があった。 列車が走っているときの汽笛や線路音のリズム、飛行機の爆音を声に出しながら描いているような絵だ。 子供が声を出して列車や飛行機の絵を描いている時のように。 描いている時こそ本人が癒されているのでは・・・。
月刊総合誌の表紙・演劇誌のイラスト・大岡昇平の小説挿絵など当時の状況を知ることができ興味深い。 分野が多義にわたっているがテーマが社会の苦悩であれ描く時は自身が癒されないと「絵画を絵画で語ろうとする絵画」は描けないとおもう。
*館サイト、https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=m10210