■ジャコメッティ最後の肖像 Final Portrait

■監督:スタンリー・トゥッチ,ジェフリー・ラッシュ,アーミー・ハマー他
■(英国,2017年作品)
■ドキュメンタリーだと思っていたら違った。 話は・・、ジャコメッティから肖像のモデルになって欲しいと青年ジェイムズは頼まれる。 しかし制作は進まない・・・。
ジャコメッティがカンバスを前に人物を描いていくだけの単調なストーリーだが飽きさせない。 彼の演技が過剰なのはこの流れの為からだろう。 「描けないのは35年間胡麻化してきたからだ」「睡眠薬を使うのは自殺ではなく眠りだ」。 威勢もいい。 青年ジェイムズは内に秘めた存在感が出ていて面白い。 二人の信頼感もみえる。
芸術家ではセザンヌ、ピカソ、シャガールを話題にするがシーンの繋ぎ程度である。 但しセザンヌを持ち上げピカソを貶すところは彫刻家の面目を保っている。 フレンチ・ポップスが数曲入るが全体のリズムを壊している。 英語系の強い作品だからフランスに忖度したのかな? 終幕はせっせと店仕舞いするような感じでいただけない。 「アルベルト・ジャコメッティ-本質を見つめる芸術家-」をドラマ化したような作品だった。
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