■田窪恭治展

■東京都現代美術館,2011.2.26-5.8
■「琴平山再生計画」と「林檎の礼拝堂再生プロジェクト」が主展示です。 「琴平山」は一杯の敷石が敷かれていて建物の一部も展示され、有田焼の椿絵磁器が飾られています。 地階に書院の椿の襖絵が描かれています。
しかし全体像が見えてきません。 階で分離してしまい締まりの無い展示になっています。 せっかくの建物や敷石も活かされていない感じです。 椿絵の襖は上部の空白をどう処理するかで好みが分かれるのではないでしょうか? 完成を期待したいですね。
「礼拝堂」はフランスの廃墟になっていた建物の再構築の話しです。 ビデオや多くの模型で全体を把握できました。 壁絵は何層も塗った後に削り取る手法を取っていて、白を背景に大柄の林檎絵は爽やかさがあります。 でも礼拝堂に合うのか心配です。
田窪は建築家ではなく画家のようです。 どちらでもよいのですが、「琴平山」は建築としての展示が成功しているとは言えません。  原因はプロジェクトの規模が大き過ぎるのではないでしょうか? 「礼拝堂」はプロジェクトとしてゴールが出来た展示にみえました。