■永遠のソール・ライター  ■急がない人生で見つけた13のこと

□永遠のソール・ライター,ニューヨークが生んだ伝説の写真家
■Bunkamura.ザミュージアム,2020.1.9-3.8
■ソール・ライターは2017年にも開催している。 再び開く理由は?「膨大なアーカイブから世界初公開を・・、知られざる一面を・・」にあるらしい。
初期ピクトリアリスム的な風景の一部を暈しているような作品が中心に置いてある。 濃密な時間・空間がそこには無いが、雨や雪の都会風景は心が和む。 旅行先のローマやパリの作品もイーストヴィレッジの延長だ。 でも作品の多くは日曜画家が、ここでは写真家だが、撮ったようなものを感じる。
彼は写真家H・C=ブレッソンに感激し、画家P・ボナールを敬愛していたらしい。 自宅が紹介されていたが室内にボナール風らしき絵が飾ってある。 絵画は今でも描くのかな? ブレッソンとの関係は見えなかった。 いろいろ気になったので帰宅して関連ビデオを見ることにする。
*「写真家ソール・ライター展」(Bunkamura,2017年)
*館サイト、https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter/
□写真家ソール・ライター,急がない人生で見つけた13のこと
■監督.撮影:トーマス.リーチ,出演:ソール.ライター
■(イギリス&アメリカ,2012年作品)
■自宅ではWi-Fi経由のストリーミングで容易にビデオが観られる。 早速目当ての作品を探し出したが、この数年で映像の観方が大きく変わってしまった。 写真などは撮方も劇的に変わった。
このドキュメンタリーは13章から成り立っている。 副題にもあるように彼の人生観が前面に出ている。 写真論や技術論は敢えて避けている。 彼は宗教世界から逃げて20世紀芸術の時代に上手く乗った人にみえる。 美術展会場では彼のアパートが古めかしく厚みのある姿にみえたが、映画ではゴミ屋敷の二歩手前だ。 「終わることのない、ソール・ライターの仕事場をたずねて」の意味が分かった。 「膨大なアーカイブ」とはゴミの山のことだった。 彼の性格もある。 ゴミのように写真を撮る。 現代の日曜写真家の方法だ。 時代がやっと彼に追いついた。 芸術家という仕事柄、この性格と量が上手く働いたのだと思う。
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/82440/