■ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華、大様式の形成と変容

■東京富士美術館,2019.10.5-2020.1.19
■フランス絵画史の教科書を読んでいるような流れですが面白く観ることができました。 しかもルネ・ユイグが当館コレクションに係わっていたことを初めて知りました。 展示会タイトルはこの美術館の特色を簡素に表しているようです。
初めに「大様式」を語っているが、ルイ14世時代「フランス古典主義」が生れる直前を指しているようです。 ここから「王立美術アカデミー」が生れ、次のルイ15世に入って「ロココ美術」、ナポレオン時代の「新古典主義」、その後の「ロマン主義」へと続いていく。
当館所蔵の絵を核にして海外美術館作品を周囲に配置する構成になっている。 例えばクロード・ロラン「小川のある森の風景」の隣に海外所蔵のロラン2作品を置くようにです。 これがヴァトー、パテル、ブーシェ、ロベール、ルブランなどが同構成で続いていく。 厚みと広がりが出ていますね。 上記画家たちのデッサンが4章にまとめられている。 特にヴァトーのデッサンは素晴らしい。 ドラクロアなどのロマン主義で終わりになるが十分に堪能できました。 最後にマネ?が1枚あったようですが出口付近の構成が雑に感じました。
ピエール・ミニャール「眠るアモル姿のトゥールーズ伯爵」が気に入りました。 ブーシェ「ヴィーナスの勝利」をみた途端、宮崎駿「崖の上のポニョ」に繋がっていると直感しました。 キューピットの目がポニョに登場する魚たちにそっくりだからです。
*館サイト、https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/profile-of-exhibitions/?exhibit_id=1201910051