■品川工展、組み合わせのフォルム

■練馬区立美術館,2019.11.30-2020.2.9
■品川工が人の名前かどうか一瞬迷ってしまった。 地名や組織の名前にも見えたからよ。 会場に入ると明るい抽象木版画が迎えてくれる。 直ぐに気に入る。
彼の経歴は面白い。 兄弟で洋食レストランや本屋を経営していた時期もある。 当時の写真をみると服装や髪型からモダンな家族にみえる。 父はクリスチャンでその影響は後々の作品にも見受けられるわね。 版画の種類を増やせたのは光村印刷所へ勤めたことにあるらしい。
木版から紙、板ガラス、樹脂そしてシルクスクリーンへと進む。 でもシルクスクリーン作品は過剰さが目立つ。 結局は木版画が一番かな。 彼の作品にはネガとポジ、彫ると彫らない、付けると付けないなど反転の面白さを重視している。 またモビールやオブジェも制作し、子供向きのような楽しい本も書いている。
彼を知らなかった理由は作品分野を広げてしまい一つ一つが薄くなってしまったからだと思う。 薄いとは趣味が作品に入り込んでしまったからよ。 もう一つはテーマの二項対立を深めなかったから。 でも作品を作る楽しさは伝わってくる。 彼の名前と木版画は記憶に残りそう。
*品川工没後10年展
*館サイト、https://neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201908121565593487