■クリスチャン・ボルタンスキー

■国立新美術館,2019.6.1-9.2
■2度目のボルタンスキーだ。 庭園美術館の狭さとは違った感触がする*1。 多くの作品が一気に目に入ってくる。 薄暗い会場の中、電球の古い光に照らされる<遺影>をみていると過去が滲み出てくる。 それは歴史へ人類へと広がる過去だ。 このような感覚が持てるのは現代では実家の仏壇を覗き込む時くらいしかない。 仏壇でもこれだけ広がらない。 「南ヨーロッパの教会」をイメージして会場を作った。 ボルタンスキーがインタビューで答えている。 「教会へ行くと少しだけ<聖なるもの>に出会える。 教会を出ると直ぐに日常に戻る・・」。 彼は六本木に教会を作ったのだ。
ところで会場入口横でビデオが上映されていた。 内容はゲロゲロとナメナメの2本で馴染みのない客なら衝撃を受けるはずだ。 最初にこの作品を持ってくるボルタンスキーは今回の展示会によほど自信があるらしい。
*1、「アニミタスさざめく亡霊たち」(庭園美術館,2016)
*館サイト、http://www.nact.jp/exhibition_special/2019/boltanski2019/