■アドルフ・ヴェルフリ、二萬五千頁の王国

■東京ステーションギャラリ,2017.4.29-6.18
■1章「初期作品」の鉛筆画6枚は充実度が窺える。 1905年頃のヴェルフリは描くことに純真な時期だったのでは? 1本の鉛筆を1日で使い切ったらしい。 しかし驚きは持続しない。 5年後の色鉛筆を取り込んだ時に緊張の質が違ってしまったようだ。 現実世界の雑音も同時に取り込んでしまい追われる身になってしまったのでは? 音符と文字の連続は彷徨える精神を持続させる為のリズムであり、利子計算は世界との関係を保とうとした結果だろう。 5章の「埋葬行進曲の朗読」映像があったが、それを聞いていると彼は子供時代・青春時代の悪夢から最後まで逃げられなかったとおもう。 このような作品をみると芸術云々と言うより人間精神の奥深くある奇怪さを考えてしまう。
*館サイト、http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201704_adolfwolfli.html