■ファッションとアート、麗しき東西交流展

■横浜美術館,2017.4.15-6.25
■先ずは絹織物商を営んだ椎野正兵衛商店と高浮彫・横浜彫の宮川香山を持ってきたのは港が見える美術館に似合う。 貿易からファッションを考えるとはさすがね。
ということで2章は服飾の輸入。 和服から洋服へ急いだのは国力誇示が理由よ。 どうしても西洋に並びたい! 断髪令、廃刀令、洋式軍服そして1872年に男性礼服が洋装へ、1886年に女性礼服にも及ぶ。 当時の人物画から洋服を着る喜びを窺うことができる。 でも庶民が洋服へ移行したのは関東大震災後らしい。 やはり日常を変えるのは大変なのよ。
そうなると3章は輸出。 西欧でのジャポニスム流行が輸出拡大を可能にしたみたい。 小袖を室内着にしたとは驚き。 理由はコルセットからの解放なの。 そしてデイ・ドレス、イヴニング・ドレス、イヴニング・コートが並ぶ。 これは1890年代から1920年代の30年間を50着前後で陳列されている。 和服の原型が残っているから和洋折衷だけど多くは見事な出来栄え、特にコートは最高ね。 後半はジャンヌ・ランバン、ポール・ポワレ、マドレーヌ・ヴィオネなど有名デザイナーも登場させて豪華な展示になっている。
他美術館でのファッション企画とは趣が違う。 それは展示会名に要約されているとおもう。 交流の面白さがあったわ。 主催者に京都服飾文化研究財団(KCI)が入ったのも充実した理由のようね。 
*展示会サイト、http://yokohama.art.museum/special/2017/fashionandart/