■レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展-日本初公開「ダヴォラ・ドーリア」の謎-

■東京富士美術館,2015.5.26-8.9
■「ダヴォラ・ドーリア」は一つの出発点です。 そこから「アンギアーリの戦い」の周辺作品や資料へと広がり充実した展示になっています。
「タヴォラ・ドーリア」の立体復元彫刻は不可解だった構造を納得させてくれました。 4頭の馬の動きや尻尾に渦巻き構造が見られるのも驚きです。 迫真の源が理解できました。
でもシニョリーア宮殿に飾られる「アンギアーリの戦い」の全体像が語られていなかったのは残念です(見過ごした?)。 レオナルドの数枚の素描を張り合わせたものがあるだけでした。 ミケランジェロの「カッシナの戦い」も同じです。 アリストーティレ・ダ・サンガッロの模写絵がそのまま全体図だったのでしょうか?
「アンギアーリの戦い」での実際の戦死者は落馬した一人だけだったようです。 しかしレオナルドは経験したすべての戦い場面の総決算として描こうとしたのですね。 彼の謎を十分堪能した展示会でした。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」(東京都美術館,2013年)
*館サイト、http://www.fujibi.or.jp/anghiari.html