■ヘレン・シャルフベック、魂のまなざし

■東京芸術大学大学美術館,2015.6.2-7.2
■ヘレン・シャルフベックの伝記を読んだような観後感がある。 ページを捲るように作品を観てしまった。
子供時代の事故や中年での失恋、生涯独身のような人生経験は特別とは言えないが、現代人が持っている心身の生きる不安を先取りしている。 その諦念を持ちながら生きる喜びもみえる。 これらを率直に作品に表現していて清々しさがある。 年老いてからの自画像は圧巻である。
なぜこのように彼女は歩めたのか? 彼女の喜怒哀楽には宗教性が感じられないからだ。 多分一つ一つの人生経験を手作業で噛みしめることができる良き時代を生きたからである。
*館サイト、http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2015/helen/helen_ja.htm