■カラヴァッジョ-天才画家の光と影-

■監督:A・ロンゴーニ,撮影:V・ストラーロ,出演:A・ボーニ
■カラヴァッジョの絵は一度見ると忘れられません。 バロックは分かりますが、身体がどこかゴシック的だからです。 ゴシックと言ってもケン・ラッセル的ですが。 光もそれを助長している。 
「忘れられない」ということは何かがあるということです。 しかし映画はそれを教えてくれない。 生身のモデルを重視したこと、そして鏡を利用したことぐらいですか? カラヴァッジョ役のボーニも真面目過ぎます。 でも監督ロンゴーニはこの作品自体をカラヴァッジョ風に仕立て上げた。 多分これは撮影担当ストラーロの力だとおもいます。 イタリア語の響きも心地よい。
そしてナポリからマルタ、シチリアへの最後の逃避行は、まるでランボーのアデンへの放浪に見えてしまった。 時代も背景も違いますが何かが似ています。 2007年作品。
*作品サイト、http://caravaggio.eiga.com/