■ユトリロとヴァラドン、母と子の物語-スュザンヌ・ヴァラドン生誕150年-

■損保ジャパン日本興亜美術館,2015.4.18-6.28
■過去のユトリロ展では彼のアルコール依存症やユッテルの存在などを小出しにしてきた。 そして今回、ユトリロの謎が解け全貌が見えた。 ユトリロの母ヴァラドンである。 やはり母と子の関係だったのか!と妙に納得してしまう。
ロートレック、ルノワール、シャヴァンヌそして音楽家サティなど、彼女の恋人にも吃驚である。 しかもユッテルを夫にするとは! 友人としてのユトリロに逃げ場は無い。
ヴァラドンの作品はゴーギャンやセザンヌを模倣しながら厚化粧を施した感じだ。 肖像画・風景画・静物画なんでもある。 対人間も対自然も健康的にみえる。
ユトリロは絵葉書から描いていたと解説にあった。 風景が脳内世界に見えていた理由もわかった。 最後まで母から逃れられなかった彼の絵には関係の寂しさが漂っている。 道を歩いている人々はもはや人形である。
*館サイト、http://www.sjnk-museum.org/program/current/2978.html