■ディオールと私  ■イヴ・サンローラン(2010年作、2014年作)

■ディオールと私
■監督:F・チェン,出演:R・シモンズ
■Bunkamura・ルシネマ,2015.3.14-
■「ディオールの世界」が面白かったのでこれも観ることにした。 新しく就任したラフ・シモンズとお針子たち職人のオートクチュールを作りこんでいくドキュメンタリである。 パリ・アトリエが登場するので組織としての活動がみえて面白い。 ディオールの映像と言葉が所々に挿入されている。
緊張感が走るのは「仕事=納期」が画面から伝わるからだ。 シモンズはミニマリズムのジル・サンダーで活躍していた。 話はそれるが技術と価格勝負のユニクロはJ・サンダーのようなミニマリストは似合うと思う。
ディオールとしてのシモンズはどうか? 同じミニマリストだから応用は利くはずだ。 でもこの映画からはなんとも言えない。 例えば抽象画家の作品を素材に選んでいたが良いとはいえない。 新しい形を創造できるか!だとおもう。 2014年作品。
*映画com、https://eiga.com/movie/81442/
■イヴ・サンローラン(2010年作品)
■監督:P・トレトン,出演:P・ベルジェ,Y・サン=ローラン
*映画com、https://eiga.com/movie/55742/
■イヴ・サンローラン(2014年作品)
■監督:J・レスペール,出演:P・ニネ
■ディオールとシモンズは離れすぎている。 この間を繋ぐものはないかと探したらこの二本が出てきた。 イヴ・サン=ローランである。 前者はドキュメンタリ、後者はドラマ作品だ。 どちらもディオールを去ったところから話が進む。
前者は面白い。 イヴのパートナーであったピエール・ベルジェの回想録になっている。 二人で収集した美術品を競売にかける話が背後で流れている。 その美術品がなんとも素晴らしい。 「青い服の子供」、「ピエロの失望」*1もあった。 彼らが住んでいたアパートや別荘もじっくり見せてくれて楽しい。 後の作品はイヴにそっくりの役者が登場する。 人間関係を中心とした内容である。
二本を観てサンローランの全体像がみえてきた。 彼はこの仕事で精神が参ってしまったようだ。 シモンズはこれに耐えられるか? しかも成果は出し続けなければいけない。 いまシモンズの立場は信じられないくらい厳しい。
*1、この「ジェームス・アンソール展」では「ピエロの失望」は展示されなかった。
*映画com、https://eiga.com/movie/80320/