■マグリット展-20世紀美術の巨匠、13年ぶりの大回顧展-

■国立新美術館,2015.3.25-6.29
■1920年から67年迄の130作品が展示されている。 1950年以降の「回帰」の章はトンネルから抜け出たようだ。 作品に落ち着きと透明さが感じ取れる。 堆積した意味を御破算にさせたからである。 以前迄の作品は時代の要請で思想が先走っている所がみえた。
遡って「ルノワールの時代」がナチスへのアンチテーゼというのも初めて知った。 「雌牛の時代」は意味を飾り過ぎている。
「マグリットが撮影したホームムービー」の上映を見て、女性像の多くは妻ジョルジェットであることを知った。 きつさのある、端整な顔つきである。 彼女がエロティズムだが厳格さが漂う作品にしていたのだ。 マグリットの全体像を知ることができて楽しかった。
*館サイト、http://www.nact.jp/exhibition_special/2015/magritte2015/index.html