■リー・ミンウェイとその関係展-参加するアート、そして世界とつながる-

■森美術館,2014.9.20-15.1.4
■人間関係の構築過程を描いているため美術というよりパフォーマンスに近い。 しかもその構築が具体的で且つ驚きの方法である。 例えば「ともに食す」は一緒に食事をする、「ともに眠る」は一緒に美術館に泊まる。 もちろん相手は一人の観客である。 運良く「ソニック・ブロッサム」に出会った。 これは歌の贈り物である。 実際に歌手が歌う。 それを一人の観客が座って聞くのだ。 会場を歩きながら人間関係というか他者と関係を結ぶということを深く考えてしまう。
他アーティストの作品も一章を割いて展示してある。 アラン・カブロの「コンフォート・ゾーン」を上映していたが、他者との距離感を考える作品である。 これは記憶に残った。 田中功起の「どれもこれも」は厨房の仕事を撮影したものだが、会場のオバちゃんオネエちゃんが批評を加えながら楽しく見ていた。
贈与を上手く使って人間関係を構築するのがミンウェイの方法のようだ。 偶々カネが絡まない。 今日の新聞をみたら「JKビジネス 実体を訪ねて」の記事が大きく載っていた。 資本世界でも色々な方法で人間 関係を結ぶのに忙しい。 他者との関係を結ぶことが、この世で生きる全てであると言っているようだ。 久しぶりの刺激に満ちた展示会だった。
*館サイト、http://www.mori.art.museum/contents/lee_mingwei/index.html