■田中一光とデザインの前後左右

■2121デザインサイト,2012.9.21-2013.1.20
田中一光の全体像がコンパクトにまとめられている。 1室は装幀本を、2室は10の机に作品を分類配置し壁にはポスターが一面に貼ってある。 グラフックデザインらしい秩序あるスタティックな構成である。
5机の「パフォーミングアーツと演劇」をみると、若い時に演劇にのめり込んだらしい。 既にグラフックから飛び出ている。 彼のデザインは最初から文化の設計を目指していたようにみえる。 セゾン文化を作り上げた一人としてその成果がある。
作品の文字は生き生きしている。 対象物をリアルに捉えているからだ。 グラフックデザイナーは裏方である。 裏方は亡くなってからよくみえるようになる。 広範囲な活動だったから展示会名は「前後左右」より「四方八方」が適しているだろう。