■リヒテンシュタイン・華麗なる侯爵家の秘宝

■国立新美術館,2012.10.3-12.23
■この館の無機質立方体の室でのバロック・サロンは似合いません。 しかし天井画をみると展示にチカラが入っているのが分かる。 この努力でリヒテンシュタイン家の目からバロック世界を豊かに想像できる内容になっています。
ルーベンスは10点。 「キリストの哀悼」「果物籠を持つサテュロスと召使の娘」「占いの結果を問うデキウス・ムス」の三点が気に入りました。 キリストの灰色の顔と唇。 もはや復活は無理ではないのか? サテュロスと娘の不気味な微笑みはなんなんだ! デキウス・ムスの頭の中が真っ白け! どれも劇的です。 他にダイク「マリア・デ・タシスの肖像」は人間味が、レンブラント「キューピッドとしゃぼん玉」は愛の微妙さが表れています。 「ようこそ、わが宮殿へ」。 招待された気分で観てきました。