■ジャン・フォートリエ展

■東京ステーションギャラリー,2014.5.24-7.13
■「人質」の数点は観たことがあります。 でも初期の作品を含めこれだけの点数は初めてですね。 戦前の厚塗りや「黒い裸婦」「黒い花」など黒への傾向はとても面白く観ることができました。
1940年前後に「醸造用の林檎」などの果物を潰したような作品を描いています。 これが「人質」の形を生み出したのですね。 そして人質の顔は抽象的ですが自画像に似ていることも今回発見しました。
ジャン・ポランとの対談「怒り狂う者フォートリエ」では<怒り狂う者>にはみえませんでした。 彼はナイトクラブを経営して、しかもダンサーだったようです。 ポランのアンフォルメルに反論していたのも印象的ですね。
彼の作品には現実世界が凝縮しています。 この凝縮したドロッとしたものがアンフォメルというものでしょうか? もしそうなら彼がアンフォルメルの画家と呼ばれても十分納得できます。