■新井淳一の布・伝統と創生  ■収蔵品展自然の表現わが山河  ■阿部美奈子展

■構成:田根剛
東京オペラシティアートギャラリ,2013.1.12-3.24
化学工学から生まれたまさしく20世紀の布だ。 綿・ウールはもとよりポリエステル・ナイロンを基本にアルミニウムや銀などの金属やプラスチックを合体させて未来をも現前させてくれる。 1970年代には三宅一生・川久保玲などと共同作業もしている。
ファッションデザイナーを通して彼が作った布はいつもどこかで見てきたはずである。 門外漢のためスリッットヤーン・メルトオフ・真空熱転写などの技術ビデオを観ても布を作成しているようにはみえない。
しかし展示されている布の衣服を着たいとはおもわない。 やはり肌触りはイマイチだし落ち着かないだろう。 衣服とは何かを考えさせられる展示会である。
収蔵品展自然の表現わが山河
阿部美奈子展
阿部の油絵は風景画が多いが、木々や田圃が水や雲の流れのように描かれているのだ。 しかもペンキのような塗り方のため切り紙を貼ったようにも見える。 明るい緑系は見ていても心が明るくなる。 でも部屋に飾るには飽きが早く来そうな絵である