■MU<無>-ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス

原美術館、2012.12.7-13.3.10
初めて知るポルトガルの彫刻と映画の二人である。 最初の部屋に入って椅子に座ろうと思ったがどうも高すぎる。 なんとシャフェスの作品だった! 多くの部屋は映像のため暗くしている。 だから彫刻がどこに置いてあるのかわからない。
その中で「虚無より軽く」は厚みのある鉄の素材でなかなかの出来だ。 コンクリートやレンガの建物にピッタリである。 題名も似合っている。 しかし鉄を黒く塗った彫刻は暗い部屋には合わない。 美術館の真意がみえない。
コスタの作品も初めてである。 人物をずっと撮影している作品が多い。 しかもその人物は動かずにいる。 時々喋る作品もある。 映像の中に重みを感じない。 存在よりも内面の動きを感じる作品である。
上映時間も記載されていないので、どの作品も数分で退場してしまった。 早速、宅配レンタルで「ヴェンダの部屋」と「何も変えてはならない」をリクエストした。
映像に対してはもはや美術館は目次の役目しかしていない。 今までのような心地良い完結を期待できなくなってしまった。