■「記録は可能か。」展

東京都写真美術館、2012.12.11-13.1.27
15本もある映像作品の中で、ニナ・フィッシャ&マロアン・エル・ザニの3作品のみ選択しました。 「スペリング・ディストピア」(2009年作)、「成田フィールドトリップ」(2010年作)、「彼らが目を閉じると」(2012年作)です。 すべては見切れません。
一つ目は長崎軍艦島。 高校生が「バトルロワイヤル」を語りながら島史に近づいていく内容です。 二つ目は成田闘争史を知らない若いカップルが闘争敷地の農園を訪れます。 闘争に係わっている住民も若い人には普通の生活者として接します。
三つ目は東日本大震災の映像。 3画面を使って現在の生活者や関係者を淡々と撮影していきます。 前2作品と違うのは、年代の違う人間関係を通して差異が見えてくる方法は取りません。 それは震災が今だからです
年代差から来る人生や歴史の違いを見えるように炙り出してそれを「記録」するのが作者達の方法のようです。 <年代の差分>が記録になるというのは面白いとおもいます。