■長谷川等伯と狩野派

■出光美術館,2011.10.29-12.18
■対屋事件や探幽の陰謀など面白いコラムで煽っているようだが、互いに切磋琢磨するから競合他社の存在は貴重だ。 等伯の絵画への探究心、経営戦略への位置づけなどは展示話題以外でも多いように予想できる。
等伯は3作品が展示されているが、強敵永徳の「鷲捕兎図屏風」と比較しても動物の生き活きさ面白さはこれを上回る。 また長谷川派と狩野派の「波濤図屏風」や「藤棚図屏風、麦芥子図屏風」などを比較して観るのは楽しい。
長谷川派がやまと絵に傾倒していったのも今回知った。 「柳橋水車図屏風」はちょっと硬さがあるが、「宇治橋柴舟図屏風」などは自然物をもっと取り込めば曼荼羅に近づく面白さもでるはずだ。 作品は全24点、散歩ついでの規模で観やすかった。