■ストリート・ライフ

■東京都写真美術館
http://syabi.com/upload/3/1448/street_20life.pdf
■英3人・仏2人・独2人、計7名のヨーロッパ・ソーシャル・ドキュメンタリー展らしい。 見応えのあるのは英国3人の作品である。 初めて聞く写真家だが19世紀後半のロンドンとグラスゴーの産業革命下の底辺の人々、街並みが写しだされている。
背景にある救貧法や慈善事業などの社会福祉までも思い出してしまう近代資本主義社会総動員のリアルな作品ばかりだ。 まさに「見るもの以上のものが写っている」。
これに比して仏・独はお馴染みのアジェやブラッサイ、アウグスト・ザンダーで作品はより「芸術的」である(ハインリッヒ・ツィレは素人写真家のようにみえる)。 この差は写真家の個人的な資質や生活環境、撮影目的の違いも大きいのだろう。
独仏も英国のレベルにあわせていたら19世紀後半のヨーロッパはより深みを持ったはずである。 ソーシャルとは何かあらためて考えてしまった。