■プラド美術館、驚異のコレクション

■監督:ヴァレリア・パリシ,ナビゲータ:ジェレミー・アイアンズ
■(イタリア・スペイン,2019年)
■いやー、リズムは有るがテンポが速い。 記憶を取りだす余裕が無いので観後は取り残された気分だ。 紹介される作品も半分は知らなかった。 スペイン15世紀から17世紀の黄金時代、そして20世紀前半までをカバーしている。 美術界を取り巻く当時の国王紹介から帝国の政治動向まで取り入れた速足の90分だった。
「国王と王女の好きなもだけを選んだ」とナビゲーターのジェレミー・アイアンズが解説している。 つまり戦略的でないところがプラド美術館の特徴なのか? ティツィアーノをプラドの父と呼んでいることも初耳だ。 「ベラスケスをみる喜びを!」、マネの言葉だ。 しかしゴヤの紹介に多くを割いている。 そして「フランドルがスペイン絵画を世俗化させた」ボスの紹介で締めくくったのが面白い。 調べるとフェリペ二世が彼の愛好者だったとは、まさに真の意味での世俗化だろう。
2015年に三菱一号館開館5周年「プラド美術館展」、2018年に日西外交樹立150周年記念「プラド美術館展」が開催されたから当分は来ない。 プラドを見たければマドリードへ行くしかない、コロナ収束後になるが・・。
*開館200周年記念作品