■吉村芳生展、超絶技巧を越えて

■そごう美術館,2020.10.24-12.6
■「機械が人間から奪った人間の感覚を取り戻す!」。 写真を基に数ミリの升目を引き1マスごとに模写していく過程は人間機械と言っていいわね。 吉村芳生の作品はよく目にするようになった。 情報処理の仕組みを身体で挑んだからだと思う。
「ありふれた風景」には処理から漏れた微かな雑音にヒトの気配がする。 カラーになった芥子や秋桜の「百花繚乱」ではこのノイズが現代的な詫錆に感じられる。 未来の人間=アンドロイドは現実世界がこのように見えると思う。 「自画像の森」になると情報の古典商品である新聞に自画像を埋め込む。 顔表情を変えることで処理を越えて関係を構築しようとしたのね。
現代の超絶技巧は情報技術から落ちこぼれる雑音を拾うことができるか否かで決まる。 「コスモス(絶筆)」が最後に展示されていたけど、今日は6枚のコスモスが一番だったわよ。 さてっ、と・・、デパート回りはやめて横浜美術館へ寄り道しよっ!
*「ブログ検索」に入れる語句は、 吉村芳生