■アジアにめざめたら、アートが変わる世界が変わる1960-1990年代

■東京国立近代美術館,2018.10.10-12.24
■戦後アジアアートの流れを「体制批判」から始め「消費社会への対応」そして「芸術家の連帯」の3章でまとめている。 戦後アジア美術は西洋美術批判と政治批判で幕を開けたのね。
1章「構造を問う」
1960年代、西洋美術への疑問から日常を見直すことを始めた。 それには芸術と生活の境界を無くす、見慣れた物を素材に使う、メディアを活用する、この3点よ。
それを使って体制権力に立ち向かう。 相手は李承晩、朴正煕、全斗煥、胡耀邦、李鵬、マルコス、スハルト、スカルノ、タノーム・キッティカ、ネルー、インディラ・ガンディー、・・。 次々と代わる権力者の総出演がアジアアートの特徴にみえる。
2章「アーティストと都市」
1970年以降、体制批判から消費社会の歪に芸術は向かわざるを得なくなる。 資本主義批判や美術館批判へ、・・都市の中へ。 芸術家たちは1980年初めにはソビエト社会主義体制の崩壊を予知していたはず。 消費社会の光と闇のチカラを彼らの触覚で感じ取っていたから。
3章「新たな連帯」
1980年以降、芸術家集団の誕生とジェンダーへの展開と連帯が広がる。 例えばシンガポール木版画運動、タイ統一美術家戦線、フィリピン連帯カイサハン、韓国光州自由美術人協議会、台湾グリーン・チーム、印度サヘマット、中国85ニューウェーブ、東村、フィリピン女性芸術家集団カシブラン、・・。 そして活動と連帯を消費社会から次の情報社会に対応しなおすことが直近の課題かな。 アジアの芸術家っていつも忙しい。
*館サイト、http://www.momat.go.jp/am/exhibition/asia/