■現代日本演劇のダイナミズム  ■演劇評論家扇田昭彦の仕事

■早稲田大学演劇博物館,2018.9.29-2019.1.20
□現代日本演劇のダイナミズム
■場内は蜘蛛の巣のように細い紐が張り巡らされている。 「・・現代日本演劇の90年代以降を中心に広がりと繋がりを提示する」!。 巣は広がりと繋がりを表しているのですね? 裾野は状況劇場や天井桟敷の60年代から始まっているようです。
展示は簡素ですが全体を11に分類している。 それは「史実」「ノンフィクション/フィクション」「セックス&ジェンダー」「コミュニティアート」「静かな演劇」「「語る力」「音楽成分多め」「「モノローグ/モノローグ」「2.5次元」「演出力」「弱いい派」。 分類ごとに該当する演出家や劇団の紹介と写真そしてビデオが上映されています。 11に演劇を分けたのは重要ですね。
登場する劇団(演出家)を数えると83劇団。 知っている劇団はナゼその分類に入っているのか凡そ分かる。 でも「モノローグ/モノローグ」「弱いい派」は知らない劇団が多い。 全体だと24劇団もある。 因みに知らない劇団や演出家は・・、
いいへんじ(中島梓織)、犬飼勝哉、ウンゲツィーファ(本橋龍)、OiBokkeShi(菅原直樹)、小田尚稔の演劇(小田尚稔)、カゲヤマ気象台、岸井大輔、Q(市原佐都子)、グループ・野原(蜂巣もも)、ゲッコーパレード(黒田瑞仁)、コトリ会議(山本正典)、The end of company ジエン社(山本健介)、the pillow talk(むつみあき)、新聞家(村社祐太朗)、スペースノットブランク(小野彩加、中澤陽)、贅沢貧乏(山田由梨)、青年団リンク キュイ(綾門優季)、関田育子、東葛スポーツ(金山寿甲)、ヌトミック(額田大志)、藤原ちから、村川拓也、モメラス(松村翔子)、ゆうめい(池田亮)です。
新しい世代でしょうか? 多くは「静かな演劇」から派生したらしい。 平田オリザや岡田利規などの影響が強いのでしょう。 でもモノローグが新しいとは考えられない。 弱いというのはまだよく分からない。 「・・この先は未知の演劇に繋がっている」とあったが蜘蛛の巣の絡み合いがよく見えなかった。 未知の道は見つけ難い時代に感じました。 
*早稲田大学演劇博物館開館90周年記念・2018年度秋季企画展
*博物館、https://enpaku.w.waseda.jp/ex/7151/
□演劇評論家扇田昭彦の仕事-舞台に寄り添う言葉-
■扇田昭彦はいつも演劇の現場にいたようにみえる。 新聞記者だったからでしょう。 目に入った彼の劇評は殆ど読んでいました。 演劇での羅針盤のような位置づけの人だと考えていた。
展示は1階特別室の1室のみです。 展示物をみると唐十郎との関係が強いですね。 映像は「秘密の花園」(1982年、本多劇場)と「対談・演出家の役割、蜷川幸雄X扇田昭彦」(2008年、早稲田大隈講堂)の二本です。 ミュージカルにも力を入れていたのは再発見でした。
*早稲田大学演劇博物館特別展
*博物館https://enpaku.w.waseda.jp/ex/7155/