■吉村芳生ー超絶技巧を超えてー

■東京ステーションギャラリー,2018.11.23-2019.1.20
■これは!?・・、と作品をジーとみつめ、とキャプションを読んでいくうちに作成過程に費やした作者の身体や時間の重みがズズッと突き刺さって来ました。 ・・! デジタル的アナログ写実と呼んでもよい。 「機械文明が人間から奪ってしまった感覚を再び自らの手に取り戻す!」。 これは人間を超えたロボット、いやロボットを超えた人間になることです。 宗教的修行に似た過程にもみえる。
そして3階から2階会場に入って再びの驚きです。 そこには芥子の赤い花が咲き乱れている。 3階の「ありふれた風景」と同じようにジーと見つめていると「永遠に繰り返す命」の世界が現れてくる。 写実からリアルへジャンプしているからでしょう。 吉村圭芳生のリアルは脳味噌で変換したリアルにも驚くことです。
「百花繚乱」室から「自画像の森」に入ると描いた新聞に自画像を重ねた鉛筆画がズラッと並んでいる。 「新聞と顔は毎日嫌がうえでも目に入る」。 新聞=自画像ですね。 よーくみると新聞記事の内容で自画像が変化していることに気が付く。 新聞を読んでいる吉村芳生をみているようです。 驚嘆と共に「生きることの意味を問いただす」作者が重なりました。
*館サイト、http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201811_yoshimura.html