■リー・キッド「僕らはもっと繊細だった。」

■原美術館,2018.9.16-12.24
■ここの美術館は窓が多い。 それを利用している。 カーテンで光量光質を調整して部屋の触覚を映像と共に表現しようとしているようだ。 このため壁まで新たに作った箇所もある。 そこに木陰や顔写真、動く足など単純な映像を映し出す。 しかし多くの部屋はせわしない。 せっかく作った空間の雰囲気は雑音として散ってしまっていた。 窓の無い部屋は身体から遠ざかるので集中できるが。
日本の四季は室内に多くの記憶を残してくれる。 しかしリー・キッドが求めた部屋の感触がよく分からない。 彼は台湾で生まれたという。 豊かな自然で子供時代を過ごしたはずだ。 彼の作品は多分、蒸し暑い夏の夕暮れに観るのが似合うのかもしれない。 今は季節がよくない。 空気が軽すぎるからだ。
*館サイト、http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/243/