■名作誕生-つながる日本美術-

■東京国立博物館・平成館,2018.4.13-5.27
■「國華」は近頃見たことが無い。 「世界最古」の美術雑誌というとギリシャ・ローマ時代から続いているようでカッコイイ。
「つながる」を合言葉に先ずは鑑真や渡来仏師が木材を介して日本の仏教彫刻につなげていく。 会場で立像を両側にみながら歩いていくのは壮観である。 次に南宋・元画家が雪舟へ、鎌倉時代絵画が宗達へ、元・明画家が若冲へとつながっていく。 文正、若冲、探幽の鶴が並べられていたが若冲の光り輝く羽羽フサフサ感は素晴らしい。 そして伊勢物語・源氏物語が江戸の画や工芸につながっていく。 4章から山水をつなぐ、花鳥をつなぐ、人物をつなぐ、古今をつなぐ等々になり人物同士の直接の繋がり方が見えなくなる。 具体的には富士山や蓮などを介して多くの画家が繋がったと言うことらしい。 近代は岸田劉生の「野童女」が寒山とつながる。 「剽窃、模倣、継承、その上で創造・・」(佐藤康宏)。 美術作品が出来上がっていく過程では「つながる」のがあたりまえだと言ってよい。
*創刊記念「國華」130周年・朝日新聞140周年特別展
*館サイト、http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1889