■中平卓馬「氾濫」

■渋谷アイビスビル B1,2018.3.10-4.14
■森山大道の作品を粗くしたような画面である。 粗さは粒子もそうだが被写体そのものをも貫通している。 二人は「生涯のライバル」だから影響を受け合ったのだろう。 「氾濫」は1974年国立近代美術館「15人の写真家」の一人として48点をまとめたインスタレーション作品として出展している。 今回は写真集「氾濫」の刊行に合わせての展示会らしい。
会場壁面には作品が再現されている。 1970年頃の匂いが漂っているが日常の風景とは違う。 都市深層の断片のようだ。 しかし東京に深層などあったのだろうか? 都市の過去はいつも深層があるようにみえるからだ。 あるのは表層の裂け目だけかもしれない。 写真は新しい過去=裂け目をいつも見せてくれる。
*exciteサイト、http://ism.excite.co.jp/art/rid_E1520298838238/