■小田野直武と秋田蘭画、世界に挑んだ7年

■サントリー美術館,2016.11.16-17.1.9
■秋田出身である義理の伯父の酒の肴はいつもハタハタ(鰰)だったことを覚えている。 当時は美味いとは思わなかったが酒を吞むようになってその旨さが分かった。 今はいない秋田弁の伯父と鰰の味を思い出しながら会場を歩いた。
美術系教科書には必ず小田野直武の1枚が載っている。 「不忍池図」である。 別物のような花と風景が不思議な一体感を成しているので一度みると忘れられない。
南蘋派や蘭学・博物学の影響と混ざり合った秋田蘭画の絵師たちを初めて知ることが出来て嬉しい。 秋田藩佐竹署山だけではなく熊本藩細川重賢、高松藩松平頼恭のなどの博物大名ネットワーク図も想像力を掻き立てる。 その後の司馬江漢から平福百穂の紹介など秋田蘭画全体を一望できる展示であった。 今年の初観としては申し分ない。
*館サイト、http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_5/index.html