■高島野十郎展、光と闇・魂の軌跡

■目黒区美術館,2016.4.9-6.5
■初期作品の前では緊張しました。 傷を負う・林檎を持つ自画像、クネクネした木々や花、存在感溢れる静物などをみてです。 蝋燭シリーズは聞いたことがありますが初めての作家です。 岸田劉生の影響が感じられますね。
滞欧期以降の変化にも驚きました。 どこか開放的で赤色に染まった田園や街の景色、そして帰国後の落ち着きは有るが何か抜け殻だけになってしまった風景が広がっている。 緊張感ある初期作品はどこに行ってしまったのでしょうか?  そしてこんなにも赤み係っているのでしょうか?
「すべて等しく=慈悲」のため緊張感も均等に拡散してしまったのではないか? 「魚介類の観察図」(1915年)をみて分かったのですが科学的な目配りが均一の起源かもしれない。 これに宗教の混ざり合った均一性が写実から生気を遠ざけ凡庸な抽象を作品の内に招き寄せてしまった。 没後40年展。
*館サイト、http://mmat.jp/exhibition/archives/ex160409