■ルノワール展、色彩は「祝祭」のために

■国立新美術館,2016.4.27-8.22
■ルノワールは見る機会が多いので驚かない。 でも十分に満足できる展示会だった。 彼の全体像に迫れた満足感である。
「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」もなかなかだが、ルノワールが印象派の限界を徐々に察知し1880年に入り再びデッサン力を磨いた後半からが素晴らしい。
この成果が6章の「子どもたち」から一気に展開する。 次に「ピアノを弾く少女たち」。 そして圧倒されるのはなんといっても「横たわる裸婦(ガブリエル)」と「大きな裸婦あるいはクッションにもたれる裸婦」の2枚。 これは7~8m離れて2枚同時にみるのが一番である。
リウマチのため筆を手に縛り付けていた映像もあったが、「浴女」は病気が限界に達しているのがみえる。 逆にそれが祝祭を呼び寄せている。 ルノワールの裸婦をみているといつものことだが土偶を思い出してしまう。 彼は縄文人の生まれ変わりかもしれない。
「ルノワール-陽だまりの裸婦」(2015年)
*展示会サイト、http://renoir.exhn.jp/