■田渕俊夫展ーいのちの煌めきー

■松濤美術館,2012.6.5-7.22
■ナイジェリアへの旅ではゴーギャンを思い出すような作品ですね。 しかし70年代に入って描かれた植物の間からは幽霊が登場しそうな雰囲気です。 チラシに書いてある「生命のたくましさ」は感じられません。
雑草類の絡み合いは神秘性が漂っていますがこれも徐々に作品から失われていきます。 そして名古屋やベトナムの都市風景へ行き着くのですがしかし面白い作品とはおもえません。
ところで機内からみた地上の風景画は、いつも羽田空港が見えなくなるまで見続ける<絶対窓側席でなければ嫌!>の人には嬉しい作品ですね。 今の時期、日本上空は水分たっぷりの白雲と真っ青な夏空。 窓側席派には居ても立っても居られません。
会場最後の室の水墨画は一度初心に戻って生命を描き直す作業にみえました。 「緑溢れる頃」は薄桃色の夕焼、「爛漫」の桜は満開です。 自然が戻ってきたようです。
*館サイト、http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/152tabuchitoshio/