■吉川霊華展

■東京国立近代美術館、2012.6.12-7.29
http://www.momat.go.jp/Honkan/kikkawa_reika/index.html
■スケッチ集をみると漫画家の下絵のようである。 漫画は線だから吉川は手塚治虫の先駆者といってもよいかもしれない。 線の滑らかさはみていても気持ちがいい。 女性の描き方も美人というより自然の美しさがある。
だが人物を除き、樹木などの植物はぎこちなさが所々みうけられる。 自分の眼で自然をあまり観察しなかったのだろう。 物語は描いたが背景に描くものがなくなり余白ができてしまった。 そこで書で背景を埋めるという方法を取った、という感じだ。
20年代後半の線に滑らかさがなくなったのも書を優先させようとした為では? 気に入ったのは素直さが一杯詰まっている「稚児文殊」など00年代の初期作品。