■トーマス・デマンド展

■東京都現代美術館,2012.5.19-7.8
■会場は紙の模型で一杯だとおもいながら行ったらなんと写真展だった! 実物そっくりの模型を作りそれを写真に撮って展示しているの。 夢のなかで眠っていてそこで又夢をみている、SF小説や映画によくある構造よ。 芝居でいうと劇中劇ね。
この構造は二つのことを反省的に考えてしまう。 一つはリアルとは何か、もう一つは物語とは何かをね。 だからデマンドもこの答えを作品に取り込む為に腐心しているわ。
ひとつは高感度特殊カメラを使うこと。 実物そっくりの模型を撮る時は、これを使わないとリアルに到達できない。 もう一つは物理学を正確に導入すること。 コンピュータ等を駆使して模型の質量や位置や速度を把握しないとリアルにならないの。
<リアル>を獲得した時、そこに<物語>が生まれる。 美術の世界でリアルを獲得すると違和感不思議感と同時に物が有機的に変化し物語が成長していくの。 物語の故郷はリアルでリアルの故郷は観客の身体だから。
*館サイト、https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/134/