■ドレス・コード?  ■糸川ゆりえ

■東京オペラシティアートギャラリー,2020.7.4-8.30
□ドレス.コード?
■ドレス・コードは服装規定と訳し、フォーマルからスマートカジュアル迄の7種類に分類されている。 でも、この展示会ではドレス・コードを再構築して新たなゲームをしようとしているの。 コードが強くなればなるほどゲームに近づくからよ。 ファッションはゲームなのね。
会場では13の新コードを疑問文にして観客に答えを委ねている。 質問のヒントとして現コードを揺さぶる作家やデザイナーの作品が展示されている。 と言うような展示構成かしら?
新コードは部品や素材を含め旧コードとの交通が激しい。 摩擦もある。 「組織のルールを守らなければいけない?」ではスーツや学生服から逃れられないし、「働かざる者、着るべからず」は労働着のジーンズは今も現役、「教養は身につけなければならない?」では有名画家をコピープリント!、「生き残りをかけて闘わなければならない?」は軍服の素材を再利用している。 
留まったのは「他人の眼を気にしなければならない?」の「フォト・ノート」(ハンス・エイケルブーム)かな。 街ゆく人々を隠しカメラで、ヤンキーズの帽子を被っている人々、ストーンズのベロ・マークシャツを着ている人々、などなどを撮っていく。 そして同じキーを持つ人々を12枚=12人づつにまとめ展示しているの。 一人一人の全身まで眺めてしまったわ。 新コードが造られていく現場を見ることができるからよ。
「誰もがファッショナブルである」、これは笑っちゃった。 「ファッションは終わりのないゲームである」「与えよ、さらば与えられん」は2階展示場まで広げて劇団マームとジプシー、劇団チェルフィッチュを持ってきているけどよく分からない。 舞台衣装との関連かしら? 藤田貴大は皆川明「書を捨てよ街へ出よう」などで近づいているが岡田利規は聞いたことがない。 ドレス・コードに掛けるのは強引かもね。
ドレス世界の再分節化を試みた展示会だった。 表層の多様性は広がっているが現コードの堅牢さも感じられた。 アートだけでは決められないと言うことかな?
□糸川ゆりえ
■侘び寂びを感じさせるわね。